日本時間2021年4月30日、緊急事態宣言下のゴールデンウィークにうれしいニュースが飛び込んできました。
ディズニークルーズラインの新造船『Disney Wish』の詳細と処女航海の予約開始時期の発表です。
ディズニークルーズは2020年春以降、新型コロナウイルスの影響で運休し続けており、2021年夏からイギリス在住者限定での運営再開が発表されていますが、2021年5月時点では再開に至っていません。
そんな中で発表されたのが今回のニュース。
元々日本発着の航路はないので私達日本人が乗船できるのはまだまだ先だと思いますが、未来に希望を持てるニュースだったので私が2019年に乗ったファンタジー号と比べてどこがどう変わるのか比べてみました。
新造船Disney Wishと現役最新船Disney Fantasy
ウィッシュ号の詳細はYouTubeのプレミア公開で約36分にわたる動画で発表されました。
くわしくは動画を見てもらったほうが良いと思いますが、大きなトピックとしては以下の5つになります。
①海上のお城がイメージのグランドホール
②洋上のアトラクション『アクアマウス』
③グランドホールと特別な入口でつながるオセアニアクラブ
④レストランの大幅リニューアル
⑤高級ホテルのようなステートルーム
これら5つのトピックについて、現役の中では最新の船であり私が2019年に乗船したファンタジー号と比較しながら、どこにどんな違いがあるのかを1つ1つ見ていきましょう。
海に浮かぶお城がイメージのグランドホール
まずは乗船したゲストが最初に足を踏み入れる場所、グランドホールから。
デザインと配色
ファンタジー号のグランドホール(ロビーアトリウム)は孔雀モチーフのデザインになっていて、黄みが強い金色とパキッとした色の青等、全体的に色味が濃いという印象がある場所でした。
これに対して、ウィッシュ号のグランドホールは以下の記事で紹介されているように、ファンタジー号と同じ金色と青が使われていますが、シャンパンゴールドのような白っぽい金色が基調となっていてファンタジー号とは真逆の印象を受ける配色になっています。
動画内でも洋上のお城のような空間という旨の説明がされていましたが、まさにお城のような洗練されたデザインだと感じました。
ファンタジー号のワクワク感とはまた違う非日常に引き込まれそうです。
ちなみにファンタジー号はデッキ3(ロビーアトリウム)からデッキ4(バルコニー)に大階段が続いているのですが、さらに上のデッキ5は吹き抜けにはなっていますが階段は逆方向にあるのでデッキ3からデッキ5への階段での移動が若干面倒な構造になっていました。
これに対してウィッシュ号では向かって右側の大階段でバルコニーに上がり、さらに上のデッキへも大階段が続いている、という構造になっています。
バルコニーでのグリ―ティング中の導線がどうなるかは若干気になりますが、3デッキが一つの大階段でつながっていることで、より豪華な印象になっている気がします。
さらにファンタジー号ではステージとしても使われる段差がありますが、ウィッシュ号にはありません。
その代わり、後方に『Luna』というステージが組まれ、ここでキャラクターダンスパーティーや夜の生演奏が行なわれることになるのかなと思います。
このほかにも『Hero Zone』という場所もできるようですが、グランドホールの構造が変わることでエンターテイメント面でもいろいろと変化がありそうですが、いつか乗船できたときはそうした違いも楽しみたいですね。
シャンデリア
グランドホールには巨大なシャンデリアがありますが、ファンタジー号は孔雀のデザインになっているのに対し、ウィッシュ号は星が散りばめられたデザインです。
ファンタジー号の孔雀シャンデリアは、バルコニーでグリーティングするとキャラクターの背景に写ってとても映えるものだったので、ウィッシュ号のバルコニーではどんな絵になるのか楽しみです。
ロビーアトリウムの銅像
他にグランドホールに共通するものとしてキャラクターの銅像がありますが、ファンタジー号は孔雀ドレスのミニーでした。
ウィッシュ号はシンデレラの銅像が設置されることが発表されていますが、ファンタジー号では銅像と同じ衣装のミニーがフォーマルナイトに登場するので、ウィッシュ号でしか見られない姿のシンデレラとグリーティングができるかもしれません。
洋上のアトラクション『アクアマウス』
個人的にとても楽しみなのは屋上デッキのプールエリアに設置される『アクアマウス』。
新しく公開された動画では「The Aqua Mouse, it’s our first attraction at sea」というコメントがありました。
テーマパークとクルーズの大きな違いの1つが、クルーズにはアトラクションがないということでした。
ファンタジー号にも類似したウォータースライダー『アクアダック』がありますが、これはあくまでウォータースライダーでありアトラクションという位置づけにはなっていません。
アクアダックについてくわしくはこちらの記事で書いていますが、ディズニーらしいかわいくて楽しいストーリーと程よいスリルがとても楽しく、時間があれば何度でも乗りたいウォータースライダーでした。
そのアクアダックからさらにアップデートされてアトラクションと銘打たれたのがウィッシュ号で初めて登場するアクアマウス。
アクアダックは乗ってしまえばクルーズ船でしか見ることができない景色と程よいスリルが気持ちいいウォータースライダーですが、アクアマウスの場合はそれに加えて、乗っている間に短編アニメーションシリーズ『ミッキーマウス!』のオリジナルストーリー『Scuba Scramble』が展開され、テーマパークと同等のクオリティのアトラクションになると説明されています。
アクアダックは今でも「もっと乗っておけばよかったなぁ、早くまた乗りたいなあ」と思い出してしまう、とても魅力的なウォータースライダーだったので、ディズニークルーズ初めてのアトラクションとなるアクアマウスがどれだけ楽しいものになるか、今からとても楽しみです!
グランドホールとつながるオセアニアクラブ
オセアニアクラブは既存船にもある3~12歳の子供向けのキッズクラブです。
基本的には子供のためのエリアなので大人は利用できませんが、オープンハウスの時間は大人も入ることができます。
私もファンタジー号に乗船した際に少しだけ覗いてきました。
キッズエリアと言ってもディズニーらしいとても作りこまれた空間なので、大人が行っても興奮する場所でした。
オセアニアクラブをはじめとした17歳以下の子供向けのエリアは年齢によって利用できるエリアが区切られていて、3~12歳はオセアニアクラブとオセアニアラボ、11~14歳はEDGE、14~17歳はVIBEが利用できます。
エリアごとに様々なプログラムが行なわれますが、ファンタジー号はドクター・ストレンジのプログラムの直後の時間がオープンハウスになっていて、タイミングが良ければ大人もグリーティングできるようです。
私達は子供たちに囲まれているドクター・ストレンジを少しだけ見れただけでしたが、後日オセアニアクラブ帰りのところを見つけて写真を撮らせてもらえました。笑
ウィッシュ号でも年齢別のエリア等、基本的な構成は変わらないようですが、おもしろいのがグランドホールから滑り台でオセアニアクラブにつながる秘密の入口ができること!
子供だけの秘密基地への入口という感じがあってワクワクしますね。(私達大人はドアを使うしかないようですが。。)
キッズクラブで行われるプログラムも、マーベルヒーローのヒーロースーツに着替えたり、ディズニープリンセスと絵を描いたり本を読んだり、イマジニアのように自分達でローラーコースターをつくってバーチャル体験ができたり、男の子も女の子も等しくより楽しめるようにアップデートされます。
ディズニー好きの大人からすれば羨ましいばかりのプログラムですが、子供たちだけの特権です。しかしウィッシュ号に乗れたときにはオープンハウスの時間に新しくなったキッズクラブを覗いて、ファンタジー号のときのようにディズニーの世界観が作りこまれた空間を見てみたいと思います。
レストランの大幅リニューアル
ローテーションダイニング
ディズニークルーズの特徴的なシステムの1つが『ローテーションダイニング』です。
ディズニークルーズの飲食は一部のレストランを除いて、基本的にすべてクルーズ料金に含まれているので、好きな時間に好きな場所で好きな料理を食べることができます。
しかしディナーだけは違っていて、ルームキーに書かれている指定のレストランで指定の時間に食べる必要があります。
指定されるレストランは3種類あり、基本的には毎日違うレストランで食事をして夕食場所のローテーションを回す、というのが『ローテーションダイニング』のシステムです。
ファンタジー号でのローテーションダイニングは以下の3つでした。
①ロイヤルコート
②アニメーターズ・パレット
③エンチャンテッド・ガーデン
※くわしくは旅行記で書いてるので、気になる方は読んでみてください。
船によって対象レストランは微妙に変わりますが、アニメーターズ・パレットは現役船すべてで対象になっていたり共通点はあります。
① | ② | ③ | |
ファンタジー号 | ロイヤル・コート | アニメーターズ・パレット | エンチャンテッド・ガーデン |
ドリーム号 | ロイヤル・パレス | アニメーターズ・パレット | エンチャンテッド・ガーデン |
マジック号 | ラプンツェルのロイヤル・テーブル | アニメーターズ・パレット | ルミエール |
ワンダー号 | ティアナズ・プレイス | アニメーターズ・パレット | トリトン |
対して、ウィッシュ号ではFamily Restaurant として3つの新しいレストランが発表されました。
①Arendelle: A Frozen Dining Adventure
②Worlds of Marvel
③1923
①Arendelle: A Frozen Dining Adventure
1つ目の『アレンデール』はその名のとおり『アナと雪の女王』がテーマ。
ファンタジー号ではフローズンギャザリングの際にアニメーターズ・パレットがアナ雪仕様になっていましたが、ウィッシュ号ではここでフローズンギャザリングが行なわれることになりそう。
個人的にはアナ雪はとても好きな作品の一つなので嬉しいですが、ただアナ雪がテーマなだけではなく、Theatrical Diningと表現されているように食事をしながらアナとクリストフの婚約パーティーが舞台のショーが繰り広げられるようです。
マジック号のラプンツェルのロイヤル・テーブル、ワンダー号のティアナズ・プレイスでは生演奏やショーが楽しめるのですが、ファンタジー号にはなかったので、こんなに豪華なのにローテーションダイニングでいいのか!?と疑ってしまうぐらいです。
どんなショーが繰り広げられるのかわかりませんが、動画を見る限りはかなり期待してしまいます。
②Worlds of Marvel
2つ目の『ワールド・オブ・マーベル』はマーベル映画がテーマのレストラン。
特定の作品がテーマであることやショーが行われることはアレンデールと共通していますが、こちらはショーを観るだけではなくゲストも参加する場面があることが大きな違いです。
一体どんなことをするのか現時点ではまったくわかりませんが、乗船前にマーベル映画は観ておいた方が楽しめそうです。
アイアンマンくらいしか観たことないので、今のうちに少しずつ観ておかないと…。
参加型というとアニメーターズ・パレットのタートルトークはゲストとクラッシュの受け答えがありましたが、たぶんもう少し踏み込んだ内容になるのかなと思うので、それなりに英語でコミュニケーションがとれる状態になっておいた方が良さそうですね…。
③1923
ここまでアナ雪、マーベルと特定の作品がテーマのレストランが続きましたが、3つ目の『1923』はウォルト・ディズニー・カンパニーが設立された年が名づけられたレストランです。
アニメーション黄金期を感じられるレストランということで、格式高い印象を受ける内装や1000点以上の絵やプロップが飾られるということから、アニメーターズ・パレットとディズニー・カリフォルニア・アドベンチャーの『カーセイ・サークル・レストラン』を融合させたイメージなのかなと思います。
ちなみにカーセイ・サークル・レストランは白雪姫が公開された劇場をイメージしたレストランで、絵ではなくウォルト・ディズニーやジョン・ラセター等、ディズニーゆかりの人物の写真がたくさん飾られています。
進化したパロと新たなフレンチレストラン
ローテーションダイニングに含まれない、クルーズ料金とは別に追加料金が必要となる大人向けレストランにも変化がありました。
ファンタジー号にはイタリアンレストランの『パロ』とフレンチレストランの『レミー』があり、私はパロのディナーに行きました。
ウィッシュ号にも同様の大人向けレストランがありますが、パロはステーキハウスの要素も取り入れた『Palo Steakhouse』にアップデートされ、さらにフレンチレストランは『レミー』から『Enchanté by Chef Arnaud Lallement』に変わります。
Paloはコグスワース、Enchantéはルミエールとそれぞれ美女と野獣のキャラクターをインスパイアしたレストランということなので、2つのレストランの共通点を見つけるのもおもしろそう。(お金的にも予約枠的にも、一回のクルーズで両方行ける気はしませんが…。)
パロは既存のイタリアンや代名詞であるチョコレートスフレはそのままに、神戸牛や宮崎牛等の日本のお肉も含めたステーキがメニューに追加になります。
クルーズでは特別日本食が恋しくなるということはなかったのですが、クルーズのメニューのラインナップに日本の食材が含まれるのはなんだか嬉しい。
新しいレストランのEnchantéは3つ星シェフのアルノー・ラルマン氏監修のメニューが楽しめるフレンチレストラン。少し調べてみたところ、ラルマン氏は過去にフランスの航空会社エールフランスのファーストクラスに料理を提供したこともある方のようです。
ファンタジー号のパロとレミーの価格設定を考えるとEnchantéの方がお高めになりそうですが、どんな料理になるのか楽しみです。
高級ホテルのようなステートルーム
最後はディズニークルーズ乗船中の自分達の部屋、ステートルームについて。
私がファンタジー号乗船時に泊まったのはベランダなしのオーシャンビューの部屋で、船首部分の部屋だったので他のオーシャンビューとは少し構造が違う部屋でした。
ディズニークルーズの部屋は4つのカテゴリーに分かれていて、リーズナブルな方から言うと窓のないインサイド、窓はあるけどベランダはないオーシャンビュー、ベランダつきのオーシャンビュー、そしてスイートルームにあたるコンシェルジュです。
事前に調べていたときは「クルーズと言っても船は船だから、部屋はそれなり」というクチコミを見ていてあまり期待していなかったのですが、ベランダなしの部屋でもかなり広くてとても快適でした。
ただ、いかんせん船首側のため窓の外の海の様子は見えづらかったので、次に乗る時はぜひベランダの部屋に泊まりたいものです。(船首部屋でしか味わえないであろう屋根裏部屋感は楽しかったですけどね)
さて、新造船ウィッシュ号のステートルームはどうかと言うと、ファンタジー号のカジュアルな印象を受ける内装と比べると、家具の木目の感じや部屋に飾られているシンデレラの絵の雰囲気から、高級ホテルのような上品さを感じる内装になっています。
コンシェルジュに至っては部屋の中にシャンデリアがあったり、螺旋階段があるメゾネットタイプの部屋もある等、グランドホールのようなお城を彷彿とさせる内装ですが、不思議と華美になりすぎていない印象も受けます。
コンシェルジュはなかなか予算的に縁遠いと思いますが、ウィッシュ号は1254室あるうちの約7割にあたる877室がベランダつきの部屋、さらに451室がコネクティングルームに対応しています。
全体に占めるベランダつきの部屋の割合が増えたことで、ファンタジー号乗船時よりもお値段は割高になりそうですが、その分優雅な船旅を楽しむことができそうです。
Disney Wish乗船の日をめざして
さて、新造船Disney Wishの詳細発表を受けてファンタジー号との比較をしてみると、様々な違いが見えてきました。
ファンタジー号のアトリウムに初めて足を踏み入れたときはその豪華さに圧倒されて「やばい」しか言えなくなったものですが、公開されたウィッシュ号のコンセプトと比べてみると豪華客船らしい華やかさはありつつも、どこかカジュアルな印象もありました。
一方でウィッシュ号はグランドホールや客室に上品さや高級感を感じるデザインが施され、優雅な非日常感に没入できそうな印象があります。
私はファンタジー号にしか乗ったことがないので他の船がどうなのかはわかりませんが、ファンタジー号ではゆったりとした時間のなかで思いっきりバカンスを楽しむ旅、ウィッシュ号ではパークのようにディズニーの世界観に浸かって楽しむ優雅な船旅、というように乗る船によって旅のテーマが変わるようになるのではないかと感じました。
さらにウィッシュ号の特徴として、レストランには特定の作品をテーマにしたものが多いという一面もあります。
特定の作品やキャラクターにフォーカスを当てると子供っぽくなりがちというイメージがあるのですが、従来の船よりもラグジュアリーな印象があるウィッシュ号のコンセプトとどう融合するのか、そしてどんなショーやグリーティングが行なわれるのか、今後の発表がとても楽しみです。
そしてウィッシュ号の処女航海は2022年夏、予約は2021年5月から始まりますが、現実的に考えて私達日本人が乗船できるのはいつになるのでしょうか。
処女航海の2022年夏時点で新型コロナウイルスがどんな状態になっているのか、日本人が海外に旅行することのハードルがどの程度下がっているのかは、その時にならないとわかりませんが、いつかは必ず海外に行ける世の中が戻ってくるはずです。
(実際、ワクチンが普及している国では少しずつ日常が戻ってきているようですし)
そのときに何をしたいのか考えたり、英語を勉強したりまだ観ていないディズニー映画を観たりしながら、また自由に海外旅行に行ける日常が戻ってくるのを待ちたいと思います。
希望を持てるニュースを届けてくれたディズニークルーズラインに感謝です!
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